3月7日デュオコンサート 楽しみ方Part1

この公演は、いろんな楽しみ方がいっぱいです。2台ピアノや連弾という2人のピアニストが奏でる演奏は…..よく

「うるさい」!

という記憶を持っている人が多いらしい。💦

えらいこっちゃ。

私たちが2006年から本格的な2台ピアノを始めたのには、実はいくつか理由があります。その1つが本当の良さ、つまり2台ピアノ芸術の名誉を回復する、というもの。

連弾や二台ピアノは音楽祭などで組み込まれることが多く、直前の限られた時間でチャチャっと合わせてコンサートなんていう姿も見られます。でもそこで楽しんでいるのは演奏家だけで、お客さんは、なんかうるさい、という感じて敬遠してしまう人も。

実は2台や連弾を本当に魅力的に聞かせるのは本当にかなり難しいと感じます。異なった人間が同じ楽器を同時に操って1つの世界を作るのだけでも難しい!でもそれを乗り越えると、1人ではできない素晴らしい色彩や世界が広がります。そのためにはバランス、ペダル、互いの感じる息遣い、とにかく練り込んで練り込んで本番に出さない限り、その世界は見えて来ない。というわけで、我々は今回もすでに少しずつ合わせを始めています。

これから作品の楽しみ方もブログにアップしていきますが、2台ピアノや連弾がどんな素晴らしい世界を開いてくれるか、とにかくこのプログラム、是非是非是非、聴いていただきたいです。私たちも真剣勝負で現在丁寧に作っているところです。よろしくお願い申し上げます!

1月14日 カワイでのDevoyon講座です!

年始最初の表参道の講座は「練習方法」。

フランツ リストが「音楽家に必要な才能は、忍耐力」と言ったそうだが、どんなに優れた人でも、いや、優れた人こそ、必要なことを考えながら、丁寧に1つずつ積み上げていっているはず。

練習に近道はないけど「効率の良い練習」はある。忙しい時こそ、必要な時間を必要なところにかけながら、どうやって着実に自分のものにしていくかは社会に出ると本当に痛感する課題だ。

今回の講座では、これからの練習に応用できる金言がたっぷり。

リストのエチュード2種類を用いたテクニックに絞っての非常に充実した内容で、テクニックってなんだ?という大切な話から入り、どうやって難関をものにしていくかを細部にわたって極めて丁寧に解説されていく。

今後の他の曲の練習の仕方がぐっと変わるかもしれない。指導者にとっては教える世界が広がるかも!学生さんにも是非聴いて欲しい講座です。

しかも!!なんと後半には、パスカル自身の練習方法を共有してくれるとか!なるほど、こうやって効率よく譜読みを進めるんだ?!という発見があるかもしれませんよ。

2時間どころではない豊かな内容を十分満喫できるためには、

ーしっかり冴えた頭で(笑)、

ーメモを取る準備を整えて、

ー小節番号をふった楽譜を持って

来場されることをお勧めします。それと今回、様々な指遣いの提案もありますが、画面に出しながら話は次へと進んでいくので、前の方のお席を確保して、指遣いはモニターの写真をとることも強くおすすめします!

では1/14にお会いしましょう!

いよいよ!ラヴェル全曲CDリリースへ向けて Vol.1

改めまして、あけましておめでとうございます♪

2025年は、私とDの結婚20周年を迎える節目の年。お互いに支え合いながら、自分たちが本当にやりたいことに全力を注ぐ毎日を重ねることに喜びを見出したいと考えている。

今年は、まず私の大きな目標かつ喜びの1つとして、ラヴェルピアノソロ作品全曲のCDリリースが控えている。その企画がたまたまラヴェル生誕150年というメモリアルイヤーと重なったようだ。本当にすごい偶然。

録音がいかに大変なものかは、2023年の初ソロCD「エスプリの旅」(村田理夏子公式サイト)で痛感した。ありがたくレコード芸術特選盤受賞という思ってもいない贈り物をいただき、サポートしてくださった全ての方に感謝の念に絶えない思い出となった。

今回は全14曲(小品を1曲ずつ数えるなら35曲)という壮大なプログラム。録音に向けていろんな文献を読み、考え、模索する全力疾走の日々を重ね、録音まであと1ヶ月を切りラストスパートに入った。

昨日は、録音会場に出向き、会場の方、舞台技術関係者、録音技師と私、パスカルでミーティング。配線など細かなチェックをした。

全てのスタッフが、非常に優しく温かい。私たちが当日を心地よく過ごせるように..というスタンスなのだろう、こちらの意図を汲み取り、なんとかそれに添いたいという応援を強く感じ、私は恵まれていると心から感じた。

録音はもちろん、他にもありがたいことに、今年はいろいろな音楽イベントが控えている。少しずつブログでも発信できればと思っているので、時々のぞいていただけたら嬉しいです!

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

村田理夏子

あけましておめでとうございます⛩

暖かな新年。今年はどんな1年にしようかな、と考えながらの

夜明け。

いつもは、今年はこうするぞー!と意気込んでいたけど、今はちょっと違う思いだ。目の前の人たち、そばにいる人たちを大切にしながら、穏やかに、健やかに、丁寧に1日ずつを重ねたい、そんな気持ち。

音楽面では、生徒達を1人ずつ丁寧に大切に育てながら、いくつか予定されている演奏会に向けて、音楽の本当の魅力を引き出すことだけに集中したい。

歳を重ねるにつれ、自分はまだまだだな、という思いが強くなっていく。でも自分のペースでいいから少しずつでも成長し続けたい。そして音楽家として、自分の信念が決してブレることなく、自分の生き方を貫きたいと強く感じている。

最初の公演は3/7。日経ホール。次回のブログで、どんな公演なのか、そしてその楽しみ方をご案内してみたい。

今年もよろしくお願いします!

村田理夏子

村田理夏子 公式サイト

ぜひお越しください!

3月7日、大手町の日経ホールで下記の公演をします。

合わせを始めていますが、あまり演奏機会のないウェストサイドストーリー。良いですねぇ。映画を観た方も、そうでなくても聴いたことある曲が聴こえてきそうです!牧師の午後への前奏曲では、ドビュッシー独特の何とも美しい音色が魔法をかけてくれます。今回はどの曲も、なんだか嬉しくなる!笑顔が溢れ出る、そんな曲を集めてみました。

春には心のエネルギーがいちばん!みなさん、どうぞお越しくださいませ♪

私のサイトはこちらから

https://www.rikakomurata.com/

ラヴェルピアノ作品全曲動画配信始めます!

2025年5月28日のスペシャル公演では、私の大きなプロジェクトの集大成も兼ねている。それは、

ラヴェルピアノソロ作品全曲録音のCDをリリースすること。

当日は会場販売で初めてCDがお披露目となる記念日だ。

自分らしく生きるため、私のライフワークとして、何かやりたいことを考えた時、ラヴェル全曲録音に至った。以前からラヴェル全曲演奏は強い興味を持っている。なぜラヴェル?その詳しい経緯は第一回目の動画で話している。

そう、動画。

せっかく全曲録音するので、非常に多くの調べ物をしたり、かなりいろいろと楽譜を見つめて考える機会になっている。これ、かなり壮大なプロジェクトだ!と始めてから気がついた💦

でも、せっかくの機会なので、みなさんとそれを分かち合いたいと考えた。そこで、ラヴェルピアノソロ作品(オリジナル)全曲の解説動画を配信することにしたというわけだ。

とは言っても私は音楽学者でも何でもない。1人の演奏家、1人の指導者として、私なりにラヴェルを理解する上で大切だと思うことをお話したい。

動画の趣旨は、「全部を見終えた時」ラヴェル世界が近づいていること。各曲の動画がパズルピースの役割で、全てを見たとき全容が見えるという感じ。

なので自分の練習する曲だけの動画を見ても、おそらく何か物足りないだろう。なぜなら、各曲のレッスンのように詳細を解説するのではなく、ラヴェルという人、ラヴェルという音楽を理解することを目的に、全曲を配信しながら、動画ごとに何かのポイントを絞ってお話していくためだ。

ある意味一番肝心なのは最初の「導入」動画。ここにキーワードが凝縮され、そこから各曲で発展していくというイメージを持っていただけるとありがたい。

百聞は一見にしかず。これからゆっくり丁寧に何ヶ月も(数年?)かけて動画をアップしていくので、みなさんとこの長旅を共有できたらとても嬉しい。

繰り返しておくと、この動画が何かの役に立つには、最初の動画から、全てを見ること。これだけは絶対条件としてお願いします!

そしてそれがお披露目となる5月28日の公演、どうかお越しください。私のサイトからお申し込みの場合は、備考欄にブログみました!と一言お書き添えくださいね。

動画配信はこちらから↓

https://www.youtube.com/playlist?list=PLbVTQrqurxBK4tcqce1R-pJW-q5rRerZl

育てたい

今回、希望する生徒を集めて勉強会をしてみた。表参道のカワイさんのスタジオとご協力をお借りして。

私は人前で演奏してコメントをもらうだけでは、あまり意味が生まれないと感じていて、数名が集まるこの勉強会4ー5時間で1年分ぐらいの何かを得られるようにと試みた。

1人の演奏の間、聴いている側はそれが自分だと置き換えて、改善すべき点、そのやり方を考えつつ聴いてもらい、演奏後、何が気になりどうしたら良いか、それぞれの言葉で発言してもらう。演奏者側にも発言を求めてみた。

実は考えることを「言葉にする」というのは、自分の感じることを明確に整理しないとできないことで、漠然としたものを具体化するとても良い勉強になる。

そしてその「具体化し、考えること」が、自分が練習するときにいかに大切なことか伝えたかったからだ。その時も伝えたが、それなしに練習すると耳はミスタッチには敏感になっても、それ以外は何が良くて何が悪いかわからないまま漠然とただ練習することになり、善悪がわからないことほど怖いことはないと。

そして、みんなの発言をもとに、特別参加してくれたパスカルに内容を展開してもらった。

私は普段から生徒たちに発言をしているので、今回はあえて第3者のパスカルにお願いして発言してもらい、必要があれば「今のこのあたりをもう少し展開してくれるとありがたい」「これはどういう意味か説明してあげて欲しい」などとパスカルにそっとお願いをしながらより面白くなるように試みてみた。

終わった後、生徒さんから次々と心から喜んでいるようなメールが届き、やってよかったなと感じられ、また機会を見つけて開催しようかなと感じられた。

指導を始めて20年以上が経つ。私のところ来てくれる生徒たちには日頃から考える喜び、自分を育てる喜び、そしてそれが若い世代を育てる喜びとその責任感に発展してくれればと願って、試行錯誤している。最近は「目に見える成果」を急ぐ傾向があるなかで、長い目で忍耐強く努力することを学んで欲しいと思っている。そしてそれは、もっと後になって、彼らの中に着実に何かの良き痕跡を残してくれると確信している。

村田理夏子公式サイト

スペシャル公演のチケット販売を11/15に開始します!

いよいよ来年5/28のスペシャル公演販売が始まります。私たちそれぞれのソロもあり、ソロでは今何としても演奏したい大曲2つを選びました。

ブラームス ピアノソナタ 3番(パスカル)

リスト ダンテを読んで(村田)

パスカルにはブラームスの血が流れているのではないかというぐらい、ブラームスの演奏がどれも本当に素晴らしいのが印象的。本人も血が騒ぐぐらい愛していると言っています。あんなにも凛とした格調高いブラームスは、間違いなく皆さんの心振るわせ、刻み込まれるはず。この機会に是非お聴きいただきたいです。

私は、ことあるごとにダンテを演奏してきましたが、ふとある時その見事な品格の高さを強烈に感じてから、これまでとは違った演奏を目指すようになり新たな視点で模索してきた作品で、ようやく今回演奏機会が得られました。

全体のプログラムは「継がれていく宝飾品」と題し、作曲家同士が互いに影響されつつ時代を超えて名作が生まれていく様子をプログラミングしました。

私たちにできる全力で、この名曲の数々の魅力の真髄をお届けできるよう努めてまいります。どうか、皆様ご来場の上、応援していただければ幸いです。

東京文化会館はこのあと数年閉鎖となります。その前にぜひ一度、

お越しくださいませ。

スペシャル公演チケット予約

https://www.rikakomurata.com/Rikako/Ticket2025.html/

「音楽祭の生の楽しみ」

11/2のオープニングコンサートラストを飾るドヴォルジャークのドゥムキトリオ。ドゥムカというウクライナ発端の民族調の節がさまざまに奏でられる作品だ。

6曲が連なる中で「緩急が繰り返される」のが特徴の1つ。この緩急が実は面白い。演奏者の感性、当日の気分によって相手がどう来るかで各演奏者の反応も変わってくるので、もちろんリハーサルは入念に行うけれど、まさに当日に生で生まれる温度も、かなり楽しみな作品。

演奏する方もハラハラ、聴く方は生まれたての熱を楽しめる。

まさに、室内楽の楽しみがギュッとつまっていて、室内楽って面白い!と聴いていても感じられる作品だと思う。

芸術家

今朝パスカルがつぶやいた。

「数々の素晴らしい曲を生み出した創造主の作曲家たちに比べたら、僕らなんて、何千分の1の存在というか、足元にも及ばないんだよね

私は最近、歳を重ねるにつれて自分がちっぽけに見え、作品に対して頭の下がる思いで練習に向かうようになってきた。色んな意味で先輩のパスカルからこんな言葉が出るなら、私は砂粒にも及ばない。

でも、だからこそ終わりなく努力できる気もする。1つ1つ、目の前に与えられたありがたいコンサートやレッスンを丁寧に真摯に準備していこうと、改めて心に誓った。

日常、遭遇したこと、思ったこと・・・を飾らず気ままに書いて行きたいと思います。